山縣美季さん 宗次德二特待奨学生第7期生

この度は、第7期宗次德二特待奨学生に採用していただき、誠にありがとうございます。

私は、藝大附属高校から進学し、今まで以上に、全身全霊で音楽に向き合おうと心に決めていました。しかし、新型コロナウィルスによる影響で、大学に通うことはできず、予定されていた本番もどこかへ消えてしまいました。意気込んで春を迎えた私にとっては、非常に悲しい出来事でした。そんな状況の中、奨学生採用のご連絡を頂いた際は、光が差したような感覚を覚えると共に、身の引き締まる思いでした。自分自身と、音楽に向き合う貴重な時間を頂けたと思い、オンライン授業のほかにも、本を読むなど多角的な勉学に励み始めました。その生活の中で、ショパンが語ったとされる、私が大切にしたいと思う言葉に出会いました。

「フレージングも満足にできないようなら、音楽家失格ですよ。そんな人には音楽は母国語ではなくて、自分にはとても理解できない方言か何かのようなものですから。」

私は、この言葉から、音楽を母国語で、そして「自分自身の言葉」として語り、聴いている方に、音楽の美しさを伝えていける人間になりたい、なれるように励もうと決心しました。

最後になりますが、愛する音楽と向き合うことに、多大なるご支援をしてくださった宗次様はじめ、ご尽力いただきました関係者の方、ご指導くださる先生方に心より御礼申し上げます。

 

音楽学部 器楽科(ピアノ)
山縣美季